リハビリテーション
リハビリテーションを毎日きちんと行うことで、発症から長い年月が経っていても、移動や食事、入浴などの日常生活動作で介助を必要とすることが少なくなることが期待できます。また、日中に横にならないだけでも、薬の効果がはっきりあらわれ、薬が効いているオンの時間も伸びると言われています。運動は、薬とセットにすることで互いの効果を高めます。
パーキンソン病患者さんは、症状の程度がさまざまで、すべての患者さんにぴったり合うという運動はありません。リハビリテーションでどんな運動や作業訓練を行うかは、医師に相談したうえで、必要があれば理学療法士や作業療法士などのリハビリテーションの専門家の指導を受けて、正しい姿勢や体の動かし方を学びましょう。
運動療法
体を動かす基礎となる筋肉や関節を強化することが主な目的です。パーキンソン病では、意識して運動をしないと運動不足に陥りますので、発症初期から運動を習慣にすることが重要です。体力維持、筋力維持、パーキンソン病に特有な姿勢、歩行、動作への対応それぞれにバランスよく運動すると効果的です。 実施にあたっては、心臓、背骨、腰、ひざなどに障害がないかを主治医に確認してもらいます。
作業療法
日常生活を維持するためのリハビリテーションです。手の細かな動き、寝返り、起き上がりなどの日常生活に役立つ動きを維持、改善することを目的に訓練が行われます。
発話障害と言語療法
パーキンソン病患者さんでは、声が小さくなる、抑揚がなくなる、発音が不明瞭になる等の症状が出る場合があります。こうした発話障害(話し方の障害)は、病気の進行とともに進むことが多く、周囲との円滑なコミュニケーションが徐々に失われていく可能性があります。発話が不明瞭になるなどの変化を感じたら、積極的にリハビリテーションを始めましょう。声を大きくはっきり出す練習をすることで改善してくることがあります。
村田美穂(監修): スーパー図解パーキンソン病. 法研, 東京, pp132, 2014.